【アメリカ生活 回想録】 その8

【アメリカ生活 回想録】 その8

アメリカで暮らしていて、便利だな!と思う点はいくつもあった。いらない家具や車などを、売りに出せる「売ります買います掲示板」がアパートや日本のスーパーマーケットにあった。掲示板と言っても、もちろん今のインターネットのようなものではなく、A4用紙に、印刷したり手書きで作ったりした紙っきれだ。内容を書いて、下の部分に連絡先の携帯電話番号を書いたのを何枚も短冊状に切っておく。欲しい人は、その部分をちぎって持って帰る、連絡するわけである。

自分もいらないものの処分でそれを使ったことがあった。今でいうメルカリやジモティのようなシステムと同じで、ディジタルとアナログという違いだけだ。
ある日、ジャグジーでアパートの住民と話していて、ウォーターベッドはいらないか?との話。聞いてみると、引っ越すので要らなくなった。買ってくれないかという。こういう直接ってのもおもしろい!さすが!コミュニケーションピープル!アメリカらしい!
見せてもらったら、キングサイズだった。スプリングが超硬いのが好きな自分だが、興味があって見せてもらうと欲しくなった。新品しか使わないんだが、そのカップルの感じが良かったし、同じアパートということで運びやすいのもあって、初めて中古OK!とした。
自分の寝室のベッドを客室の方に移し、ウォーターベッドをセットした。
実際に使ってみると、めっちゃええ感じ♪
温度調節はできるし、それに何と言っても、無重力感がたまらなかった。人生初のウォーターベッド。よほど気に入ったのか、ロサンゼルスから日本に帰るまで、主寝室に鎮座するメインベッドになった。

それに犬を飼うことにもなってしまった。
ヨークシャーテリア。
生まれたて。というか友人が出産させてた。その場に立ち会っていたが、すごい奴だ!と感心した。
可愛い!ヨーキーなのに、テリアが強く、少しお鼻が長めだ。一眼見て気に入ってしまったのが理由だった!
普通は高いんだろうが、最初のインジェクション(予防接種)を受けてくれて$300くらいで譲ってくれた。

これがまたあちこちでオシッコするし、いくら躾けても、うんこもシートを外す。
きれい好きの自分なので、その時期よく叱ってたのを覚えてる。
ところが、半年くらい経つと、急に賢くなった。
なんでやろ?
言うことが急にわかるようになった。
自分は元々、があがあというタイプではない。全く叱らなくなったせいか、おっとりした性格に育った。ヨーキーなのに全然鳴かない。誰が来ても。。(笑)
番犬にはならないな。
仕事をしてると気が付かないように足にちょっと触れるぐらいの位置で丸くなって寝る。ホンマに可愛い奴だった。

ベッドも手に入ったので、時々はお客さんを泊めることができた。ツーベッドルームにしてよかった。
ある時、日本から泊まりたいと知り合いから連絡があった時に、そのタイミングは別用が入ってて、ロサンゼルスにいない時だったが、その友人は自分が休めるタイミングでしか旅行ができない仕事だと強行してやってきた。仕方がないので、家主はおらずなのに2人で泊まって帰った。せっかくのタイミングだったのに、全然ケアできなかったこと。今でも残念に覚えてる。
おそらく、あの時に、僕のいるタイミングでロスに来ていたら、僕とその人たちの付き合いも今とは違うものになっていたと思う。泊まる先の人間の都合をいちばん後回しにした友人だから仕方ないとはわかってるが、先々のお付き合いを期待していたすごく好きな人たちだったということもあって鮮明に記憶に残ってるのだろう。
人との縁というのは本当に不思議だ。濃いも薄いも、そう言ったことで決まっていくもんなんだな。
(続く)
https://bunsei.net/2020/10/29/post-341/

アメリカ生活カテゴリの最新記事