【末期ガンからの生還】回想録 その4

【末期ガンからの生還】回想録 その4

前回の検査結果が良かったので、楽観主義者の自分は次も良いものだと決め付けている。得な気性だな。それほどドキドキもせずに報告を待つ。

さて。帰ってきて、発表~!

なんと!な、なんと!

肺がんは直径7.5cmから6.5cmに縮小、
大腸がんはなくなっていた。
肝臓がんは全く変わらずだった。

これで、ガンは後2箇所!と思いきや、どうやら、乳房の方に影がいっぱいできているとのこと。乳がんか⁉︎

この乳がんに関しては、温熱が抜群に効くとのことを聞いていたので、その日から丁寧に胸にも注熱する。

女性の胸は男性温熱療法師として一番やりにくいところなんだが、なんせ、生き死にがかかっている。なんせ、ロサンゼルス。他に温熱療法師がいるわけもない。自分しかいないわけだから、乳房だろうが何だろうが、ガンガン温熱をかける。
今の三井温熱療法はいろいろな事情を考慮して、指先を巧みに使いソフトに温熱をかけるのだが、昔の三井先生のやり方はグッと押さえて留め置く。長い時は1箇所3秒くらい。地獄である。悪いところでこれは耐えられない熱さ、と言うよりも耐えられない痛さだ。

もちろん、この頃の自分は三井兎女子先生直伝なわけで、おっぱいが大好きな自分ではあるが、全くいやらしい気持ちなど微塵もおきそうにない激しい温熱を彼女に施術した。

かなり熱がる!これが一番キツいかもしれない。そう思いながらも、乳がんにのさばらせておくと危険だということがわかっているので、少しも手を緩めずに注熱し続けた。

乳房の温熱は何故か毎日熱がる場所が微妙に動いていく。なんだろう?そんなにガンは動きがいいのだろうか?それとも、熱く感じるガン細胞の大きさがあって、日々成長しようとするガン細胞に反応しているんだろうか?MRIと言えど検知できる最小の大きさもあるだろうし、見えてない部分もどんどん出てくるのかもしれない。それに検査で指摘された箇所に施した最初の注熱では確かにアチチ反応が強かった。このことから、MRIで検知できるガンの最小の大きさよりも温熱器の検知精度の方が高いと推測する。

温熱のやり方だが、ガンのある場所に注熱するのはあとの方であって、毎回、背骨から始める。背骨周りだけで15分、長い時は30分くらい熱を入れる。お尻の割れ目の上から首まで。背骨のすぐ横も。大事な臓器である腎臓はもちろん副腎に該当する箇所も丁寧に熱を入れる。

肩こりはなくても肩甲骨周りをやった後に、頭を温める。これが最高に気持ちいい!誰にやってあげても「ありがとう!」と感謝される。

今度はお腹側の温熱。お腹、胸、そして、大切な首。

それから顔、もう一度頭をやる。

これで1サイクル。

『熱いところは悪いところ。』

このルールを守って熱を入れていく。実にシンプルだ。

彼女に関しては、「気持ちよく熱が入る!」の「気持ちよく」を意識しないでいいので、熟練の技を持たない自分でも対応できたわけだ。三井温熱で働いている先生方がもし見ていたら、「あーっ!」と声を上げるシーンもきっと多かったに違いない。

そんなこんなで、また次の検査の日がやってきた。

(続く)
https://bunsei.net/2020/10/07/post-275/

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