【末期がんからの生還】回想録 その8

【末期がんからの生還】回想録 その8

次の検査までの時間にやることは毎日同じなんだが、いよいよガンが消える可能性が高まくなってきたので、これから先のことを話す機会が増えてきた。2ヶ月ちょっと前、出会った時からは考えられない。

彼女は能力のある女性で、いくつもの仕事を持っている。彼女のプライバシーを守りたいので、自分のブログで詳しくは書かないが。。
1回のMRIの料金はアメリカでは半端ないし、ジュースとサプリメントも月に30万円以上の金額になる。
彼女にどれだけのお金があるかわからないが、彼女の仕事で最も大きなお金を生み出していた仕事の1つは、とてつもなくストレスが高い仕事だった。いつも仕事の電話の後に血を吐いていた。だから、出会って最初の頃に、この病と戦う上で「生きたければ止めた方がいい」というアドバイスをした。ストレスが高い状態では、計り知れない量の酸化ストレスが作られ、どんなに良い治療であっても無意味になるからだ。
ただこちらがやめたらと言うのは簡単だが、彼女にとっては彼女の人生で作り上げてきた大きなものを捨てることを意味する。それに何人も雇い続けてきた事業を止めることも大変なことだ。
それでも彼女は決断をした。
生き残ることを優先した結果、ここまで来れた訳だ。

まだ他にも仕事があるとは言え、全てが労働収入、高額収入の1つを失い、後の彼女の人生への影響は計り知れない。
病気になってしまった人のその後は、こういう現実が当たり前のように待っていることを僕も含めて知らない人が多いと思う。

日本でMRIを撮ると、その当時でも10万円もしない。アメリカで撮ると100万円をゆうに超える。一体いくらだったんだろう?
彼女の場合、あちこち撮るので高いのはわかるが、この数回のMRIでゲーッ!となる大台の金額なのは間違いない。
いろんなことを考えると、日本に帰国した方がいいのだろう。

自分にも身体的にハードな時期はあったが、収入が途絶えるようなことがなかった。彼女を見て、高いQOL(Quality of Life)の人間が病気になると、それまでの暮らしが激変する凄まじい現実に気付かされた。自分のQOLはそれほど低いわけではないが高いというわけでは決してない(笑)しかし他人事ではない、労働によって収入を得ている人間全てに言えること、お気楽ではいられない。
ガンになって治療を受ける、病気になって入院する、そんな当たり前のことに備えは必要だろうし、職を失うことも当たり前だ。人間というものは大人になると自分単体の思考が頼りだ。子供の頃は親に守られているが、大人は違う。本当の意味で大人になるということは、そう言ったすべてのことに対して当たり前のように備えているということだ。
日本では健康保険もあるし、高額医療費の補填もある。ある程度の基準内の医療で我慢するという条件付きではあるものの医療費の負担は小さい。サラリーマン率が高く、労働収入が当たり前な日本ではこの辺はよく考えてあると今更ながら納得した。
(続く)
https://bunsei.net/2020/10/13/post-296/

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