誤嚥性肺炎と痰吸引

誤嚥性肺炎と痰吸引

[前書き]
このテーマについて、きちんとしたことを書き残したいと昨年から思っていた。
父を連れてきた昨年3月1日の肌の色の悪さ、褥瘡のひどさ、そして、何よりも酸素飽和度が常時低く、全くしゃべらない状態が続いていたことを思いだすと、恐ろしさに今でも震える。
この状態では誤嚥性肺炎は避けられないもので、栄養不足の結果であるのは間違いない。しかし、たとえ96歳であっても誤嚥性肺炎をやっつけられることを証明できたことで、この後の介護の大きな自信となった。

誤嚥性肺炎を起こすと、医師の指示で抗生剤が投与される。
薬が効いてくるまでSPO2(酸素飽和度)はどんどん落ちる。

膿のような痰が気道にあふれてきて、呼吸しても酸素を十分に吸えない状態に向かう。何もせず放っておけば呼吸不全となって死に至る。
そうならないように、出てきた痰を物理的に除去して呼吸を正常状態に戻すのが痰吸引だ。

この意味で誤嚥性肺炎になった時に痰吸引はなくてはならない技術だと言える。喉から吸引する場合と鼻から吸引する場合があるが、SPO2が90%を切るような場合、鼻から吸引することが必須になってくる。
基本的に、看護師など資格を保持する人のみが許される技術なのだが、家族でないとどうしてもケアしきれない理由から家族だけは資格がなくても吸引することが認められている。
最初は少し入れにくいが、慣れればカテーテルの長さいっぱい入れて、気管支近くの痰までも吸引できる。
とにかく、肺炎で呼吸ができなくなれば、すぐに死んでしまうので、状態に応じて待ったなしでやる必要がある。

日本において肺炎で亡くなる人は多く、2017年度の調べでは死因の3位(9.9%)になっている。
肺炎の中でも誤嚥性肺炎は、高齢者に多い死亡原因(2.7%)として知られている。年間死者は4万人以上であり、高齢人口の増加で急速に増加してきており2030年には約13万人に達するという予測もある。

父親のケアをしていてわかったことは、胃瘻していて口からものを食べなくても起こるということ。

検索すると、誤嚥性肺炎は、口腔内の分泌物、胃の内容物、またはその両方を肺に吸い込んだ場合に発生する肺の感染症とある。

要するに何も食べなくても、口の中は清浄でないので、口から肺に入ったものが唾だろうが何だろうが炎症が起こってしまうのが誤嚥性肺炎ということだ。

他に書いてあったことは、誤嚥性肺炎は何度か繰り返し死に至ると。
抗生剤も最後には効かなくなるということだ。

これは本当に大変なことだ!
いずれ死んでしまうのが確定してしまった!

いい加減な介護で急激に状態が悪くなってしまった父。
このまま死んでしまうなんて可哀想すぎる!
涙が出てきた。

自分が今まで勉強し実践してきたことを頭において、誤嚥性肺炎の対策をいくつか挙げてみた。

まず、誤嚥性肺炎からの脱出として、
1.医師の指示通り抗生剤を摂らせること。
2.常に口腔内を清浄にすること。
3.SPO2を測りながら、喉からと鼻からの両方の痰吸引をまめにやること。

そして肝心の誤嚥性肺炎の再発防止として、
4.気道と食道の切り替えがうまくいくようにすること。

この4ができれば、二度と誤嚥性肺炎にはならない。完全におさらばできる。ただし、この根治療法は時間がかかる。
栄養療法で筋肉の復活を試みることと、切り替えスイッチが上手く動くようにリハビリが必要なはずだ。

我が家では、第1段階として、自分が30年以上愛用しているブランドのもの、無農薬有機農法で栽培された原材料から作られた濃縮サプリメントを使用した。

与え方は、エンシュアHにプロテインを溶かして胃瘻する。そして、ビタミンとミネラルはサプリメントをハンドミルサーで粉砕し、45℃のお湯に溶かしてシリンジで注入する。

これを1年間続けた結果、誤嚥性肺炎は皆無となった。
SPO2は常に99%。

昨年は最初の3ヶ月に2度ほど酸素濃縮器を借りたが、この1年間は必要としていない。
すばらしい!

どうやら、自分が設定した最終ステップに移る時を迎えられたようだ。
全てに感謝だわ!

介護カテゴリの最新記事