油は大切 その5 偽オリーブオイル

油は大切 その5 偽オリーブオイル

書いてみたものの、題名から衝撃的だわ。
ほんまかいな?
自分もそう思いたいが、単なる噂話ではない。ここに載せる記事以外にも読んだことがある。ひどいものは90%が偽物と書かれている。
オリーブオイルは昔から好きで、サーモンのお刺身は必ずオリーブオイルで食べるくらいだ。それに、アメリカに住んでた頃は、イタリアンに行くと普通にパンがお替りし放題でオリーブオイルもつけ放題だった。それで、日本人がまるでパンにバターをたっぷり塗るかのように、どっぷりとオリーブオイルにつけて食べるのが日常だった。

そんなオリーブオイルのほとんどが偽物だなんて!
これまたショック!

これまで書いてきたように、オイルは高温高圧で精製されるとトランス脂肪酸を含むことになる。
そう。安全ではないのだ!
品質の低いものが混ざると言うことの恐ろしさは、書いてきた通りだ。気をつけたい。

ちょっと長いが、変に編集して誤解を招くといけないので、NEWSポストセブンの記事をまるまま載せさせてもらうことにする。

「偽物」が8割!? 「本物」オリーブオイルを見分ける方法

生活習慣病の予防効果やダイエット効果、そしてアンチエイジング効果まで報告されているオリーブオイル。いまや家庭で常備すべき油はオリーブオイルとゴマ油だけ、といった声も耳にするほどだ。実際日本では、健康ブームにも後押しされて、ここ数年で市場が急速に拡大し、5年間で輸入量は倍増の6万トンを突破。食用油ではキャノーラ油を抜いてトップの360億円市場となった。ところが…。

「こんなにも普及するようになっていまさらですが、あなたの家にあるオリーブオイルは大丈夫ですか?」と警鐘を鳴らすのは、日本を代表するオリーブオイルの専門家で日本オリーブオイルソムリエ協会理事長の多田俊哉氏。

 多田氏の著書『そのオリーブオイルは偽物です』(小学館刊)によれば、日本に流通しているオリーブオイルの多くは輸入ブランド品だが、そのうち「本物」はわずか20%。残りの80%以上は品質が偽装された「偽物」だという。

 店頭で販売されるまったくの新品の段階で、ボトルの中身が他のオイルにすり替わっていたり、品質が偽装され、悪臭漂うとんでもない粗悪な品質の代物がボトルに詰められ売られているというのだから衝撃的だ。

 たとえば1996年、北米オリーブオイル協会がニューヨークの店頭でオリーブオイル73品を抜き取り調査してその品質をチェックしたところ、なんと純粋にオリーブオイルだったのはたった3品! 残りの70品は主にピーナッツオイルやヒマワリ油などが混ぜられていたことを『ニューヨークタイムズ』で発表した。

◆「エキストラバージン」はたった20%

 こうした他の安いオイルを混入する「混ぜもの偽装」のほかにももうひとつ、頻繁に行われている代表的な品質偽装が「アップグレード偽装」だ。

「オリーブオイルの最高品質規格はエキストラバージンオリーブオイルですが、低級のバージン、時には食用に適さないオイルでさえエキストラバージンに化けて販売されています。実はこうした品質偽装オイルはきわめて多く、本当のエキストラバージンは20%にも及びません」(多田氏)

 その原因はおおむね搾油などの工程段階に問題がある。頻繁に起こっているのが、収穫したオリーブ果実が腐敗・発酵したりカビが生えているのに、そのまま搾ってしまったケース。オリーブの実は傷みやすく、ちょっとでもカビが生えたり腐敗するとたちまち全体に広がってしまうため、収穫後遅くとも12時間以内に搾らなければいけないが、大量生産する際には面倒なので何日か分をためこんでからまとめて搾油を行うことが多い。すると作られたオリーブオイルは、その腐ったイヤな臭いや発酵による酸味、カビ臭さやカビの持つエグ味などをそのまま受け継いだ欠陥オイルとなる。

 本来エキストラバージンオリーブオイルとは、一番搾りのオイルで、厳格な理化学分析検査と風味官能検査をパスしたごくわずかなものだけに与えられる最上級の等級だが、輸出国で行われている検査の基準はかなり緩く、その実態は有名無実化しているという。近所のスーパーの店頭で見かけるオリーブオイルは、不思議なことにエキストラバージンばかりだが、その多くが実はひどい品質の欠陥オイルである可能性は高いのだ。 

◆「原産国」表示はあてにならない
 
 信じられないのは品質だけではない。ボトルに明記されている「原産国」表記もまったくあてにならないというのだから驚きだ。
「日本の法律では、ボトル詰めされた場所が属する国が原産国、ということになっています。つまりボトル詰めがイタリアでされていれば、中身がイタリア以外のどこかで作られたものでもイタリア原産という表記をしてよいということになります。これは他の国でも同様です」(多田氏)

 この制度を巧みに突いて、他国から輸入したオリーブオイルをイタリア国内でボトル詰めして、「イタリア産」と明記して販売するケースが後を絶たない。1990年から2006年にかけてのイタリアのオリーブオイル貿易統計をみると、イタリア国内の消費量と輸出量の合計よりも生産量が50万トンも足りないという不自然な結果となる。あなたが手にしたボトルに「イタリア産」と記されていても、決して鵜呑みにしてはいけない。イタリア以外の国で作られたオリーブオイルである可能性が濃厚なのだ。

◆「値段」が高くても品質の保証にはならない

「そうはいっても品質偽装は安いオイルの話、私は百貨店で値段の高いオイルを買っているから大丈夫」…ここまで読み進めてきた方のなかには、そう高をくくっている方もいるかもしれない。しかし結論から先に申し上げれば、残念ながら値段が高くてもまったく品質の保証にはならない。多田氏は本を執筆する傍ら、都内の有名デパートや高級スーパーで発売している商品を購入し、実際に中身を検証してみたが、有名デパートAでは15品中11品が偽物、高級スーパーBでは18品中15品が偽物だった。

「重要なのは、品質は価格と関係がないということです。むしろ品質偽装された商品は、その偽装をカモフラージュするためにも、ふつうに売られている輸入ブランド商品と同等の価格設定をしているはずです」(多田氏)

◆「本物」オリーブオイルを見分けるカギはここ!
 
 さて、ここまでくるともはや何を信じればよいのかわからなくなってくるが、果たして「本物」のオリーブオイルを選ぶカギはあるのだろうか。多田氏にプロの見極め方法を聞いた。
「結局、ボトルの表記を見ただけでは専門家も判断がつきません。ポイントは、なんといっても生産者です。ワインや日本酒を選ぶときのように、銘柄がオリーブオイルでも重要なポイントになります。優れた生産者を知る簡単な方法は、世界各地で行われるオリーブオイル品評会の結果をチェックすること。優秀な生産者はいくつもの品評会で受賞を重ねています」(多田氏)

 海外のサイトまでチェックするのが大変だという人は、日本オリーブオイルソムリエ協会が毎年開催している『OLIVE JAPAN』という国際品評会の結果を参考にするとよい。購入ガイドとしては、氏の著書『そのオリーブオイルは偽物です』の巻末に掲載している2015年の『OLIVE JAPAN』受賞商品の中から日本で購入できる商品だけをピックアップしたリストが参考になる。

◆「本物」オリーブオイルを体験するチャンス!

 偽物が横行するオリーブオイル市場。その80%が偽物だとしたら、私たちがふだん口にしているオリーブオイルも偽物である可能性が非常に高い。

「ここが重要なポイントなのですが、品質偽装された偽物のひどい風味は、一般の人でも言われてみればごくふつうに異変を感じてしまう程度のものなのです。少し風味のことを学んだ人がいれば、そのひどい風味や臭気で品質偽装はすぐにバレます。おそらく一般の人々が何となく感じている“オリーブオイルの特有の風味がどうも苦手”といった感覚こそが、欠陥風味の漂うマズいオイルを食べている不快感にほかなりません」(多田氏)

 ぜひ一度「本物」を体験してみたい、という方におすすめなのが、前述『OLIVE JAPAN』のマルシェ。世界各国の「本物」のオリーブオイルを作っている生産者たちが集い、様々なオイルを試飲できる。今年(2016年)は7月8日と9日の二日間、東京・二子玉川駅前で行われる。苦労を重ねて本物を作り続ける良心ある生産者たちのオリーブオイルを味わう絶好の機会だ。

「一口にオリーブオイルと言っても個性は様々。その美味しさと素晴らしい豊かな風味に、皆さんはきっと驚くはずです」(多田氏)

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