【末期ガンからの生還】回想録 その1

【末期ガンからの生還】回想録 その1

2001年の10月のこと。
その少し前の9月11日。
アメリカで起こった同時多発テロ。
飛ぶものは全て撃墜するとのことで、日本からロサンゼルスに戻れなくなっていた。
10月半ばになってやっと飛行機が飛ぶのを許され、アメリカへ帰ることができた。
この時の自分はと言えば、
会社を辞めてから、1つのビジネスがうまく行き出し、アメリカの永住権取得に向け、弁護士を通してのビザのステップアップを狙いながらアメリカと日本のそれぞれを半分半分の生活をしていた。

その時に起こった恐ろしい出来事。

日本のニュースで流れた時は、映画のように凄すぎて、リアルすぎて、、、
信じる事ができなかった。

アメリカに帰る時も、「この飛行機は大丈夫か?」という気持ちも幾分あったのだが、そんなことを払拭するくらいテロに対しての空港での安全対策は凄まじかった。

そして、ロサンゼルスに戻った後の出会いが自分の人生を大きく変えてしまうことになるとは、この時点では知る由もなかった。

ある日。
それは同じアパートに住む友人からの一本の電話で始まった。
「末期がんの友達から電話がかかってきて具合が悪そうなんだけど、行こうか?って言ったら、来なくていい!と言われたの。どうしよう?」
末期がんなのに、何で病院にいないんだ。とは思ったが、
「だったら、一緒に行くから、家の前でもう一度電話してみよう。それで本当にいらないんだったら帰ってこよう!」と提案してみた。
そんな言葉に納得した友人と、そこへ行ってみた。
電話には出ないので、友人が部屋に様子を見に行く。
すぐに戻ってきて一緒に来てくれ!と

どうしようもない状態だった。
部屋に入ると、その人は大量に吐血し意識が遠のいている。何とも凄まじい光景に言葉を失う自分がいた。
そのまま放っておくこともできず、、、
良い判断であったかどうかは別として、とにかく自分の部屋に連れて帰ることにした。
ツーベッドルームの1部屋は日本からの友人用に空けてあるので、とりあえず、そこに入ってもらった。

早速、三井式温熱治療をしようとするも、この人、体が異常に冷たい。

通常の温度設定でやると、とんでもなく熱がりそうだ。
初めに熱さに恐怖心を持つと治療ができない。狙いの温度より低く設定する。
が、それでも全然ダメだった。
一番低い温度で設定する。ちょっと熱めのお風呂くらいの温度45℃でスタート。時間がかかっても、まずは少しでも熱を体に入れないと何も始まらない。
自分では何も感じない温度でも、十分に気持ちいいようだ。

1時間ほど背中を温めると、状態が落ち着き、気持ちが楽になったようだ。

自分が知っているものの中で三井温熱療法がもっと短時間で心が落ち着く。
同じ温度でお風呂に入ったとしても、お風呂から上がると汗が一気に出て、体温が下がってしまう。人によっては冷房や扇風機で冷やすのでかえって体が冷えてしまう。
この温熱器は背骨とか狙ったところに局部的に熱を入れれる。お風呂やサウナ、あるいは、それと似た治療法とは全く違う。不思議な、他所では見つからない唯一無二なものだ。

落ち着いたところで、彼女から今の状態についていろいろな聞くことにした。

がんは大きく分けて4箇所。
肺がんは最も大きく直径7.5cm、女の人の拳くらいの大きさかな。
胃がんは数カ所、静脈瘤が破裂して吐血してるとのこと。数カ所は前回の診断の時にクリップで止めてもらったと言っていた。
肝臓がんは3箇所、それと、大腸にもガンができている。

一番気になっていること。
それは、何故、病院に入院して手術なり何なりの治療を受けないのかと言うこと。
答えは、3つの理由からだった。

一番の理由は、がんの大きさと数が多くて手術で取れたとしても体がもたない可能性が高いこと。
さらに、再生不良性貧血を併発していたこと。
最後に抗がん剤に強いアレルギー反応を示したこと。

病院で何もできないとなると、入院もさせないのがアメリカンスタイルのようだ。
処方されたのは、痛み止めのモルヒネだけ。それを自分でうつことしかできないと。。
全てを聞いて言葉を失った。

こんなこと聞いたことがない!
僕で大丈夫なんだろうか?
知っていることを全て試してダメだったら、、、頭をよぎるが、口にはできない。彼女は十分にわかってるだろうし、その診断結果を告知された時から今まで散々苦しんだだろうから。

その後、少し温度を上げた55℃で、もう一度、背中に熱を入れた。
まだまだ治療温度まではあげられないが、初日はある程度落ち着けばOK!を目標に熱を入れ続けた。
(続く)
https://bunsei.net/2020/10/04/post-254/

法律のこともあるので、肉体的な効果については書けないこともあるが、ここではできる限り起こったことを書き出すことにする。

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