今から20年以上前のこと
ある日、左目の中に何か小さいものがふわふわ動いているのに気が付いた。1週間ほどしたら、今度はもっと大きなゲンゴロウみたいなのが動いて、目の中も泥のように濁っている感じだ。
その日に来た友人にこの話をしたら、
「それって、網膜剥離ですよ!友達は失明しましたよ!」
えらいこと言うやん!
網膜剝離って、自分の中ではボクサーがなるというイメージだったが。。。
怖くなったが、今日は日曜日。普通の病院はやっていない。
すぐに救急病院を探すと、長堀橋筋にあるという。
こともあろうか、彼がその病院まで乗せて行ってくれるというのだ。
もしものことがあってはいけないので、お言葉に甘え、連れて行ってもらった。
受付けを済ませ、眼科の方に案内されると、眼科医が目の中をほんの少し覗いただけで、表で待っておいてくださいと言われる。
えっらい短い診察やなあ~!
暫く待っていると、「救急車を呼びましたので、今から北野病院へ行ってもらいます」とのこと。
どうやら、友人の言うことが当たっていたようだ。
網膜剥離
緊急手術
身体はめっちゃ元気なのだが、目の中はかなりヤバい状態の様で、安静にするように言われた。
自分の足でゆっくり移動して救急車に乗った。
変な感じだ。
北野病院に着くと、日曜日なのでフロアは真っ暗。
担当の先生から声をかけてもらって、手術台の前に坐る。
レーザーで網膜を焼いて、出血を止めるらしい。
どれぐらいの時間がかかっただろう?
先生のお話では百数十点ほど打ち込んだとの事。
「何とか止まりましたが、これから3日間は安静にしてください」
「眼帯はした方が良いですか?」
「いえ。してない方が動くと、手術した方の目も動くので意味ないです」
そりゃあそうだ!
3日間、寝てるしかなさそうだ。
「3日経ったら、アメリカに行っても大丈夫でしょうか?」と聞いたら、
「1週間はダメです。もしもの事があったら、失明ですよ!」
うわあ~!
仕事、全キャンセルですやん!
まいった!
期間は忘れたが、1ヶ月から3ヶ月ほどして再度検査してもらったら、もう大丈夫ですということ。
この先生には本当に助けられた。
今でも名前はしっかり覚えている。
さて、どうして網膜剥離になるのか?
先生のお話では、強い近視の人になりやすいと教えてもらった。
検索してみると、AIの回答は、
近視が強い人は網膜剥離になりやすい傾向にあり、強度近視の方の約1割にみられます。網膜剥離は、網膜に穴や裂け目ができ、そこから液化した硝子体が網膜の下に入り込むことで網膜が剥がれてくる病気です。
さらに、原因は、
網膜裂孔の進行によるもの、加齢、強い衝撃、アトピー性皮膚炎、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎など
と書いてある。
この時点では、どれにも当てはまらなかった。
それからだいぶ経って、自分に入って来た情報として、
近視になると眼軸長が伸びるということ。
通常24mm程度の長さなんだが、近視になると27mm以上になるとか、、、
球体が後ろ側(目の奥側)に伸びた楕円球体になるのをイメージするとわかりやすい。
これはと思ったので、検索し直してみると、
網膜剥離と眼軸長には次のような関係があります。
強度近視では眼軸長が通常よりも長くなることが多く、網膜が引き伸ばされて薄く脆い部分が生じる場合があります。
硝子体と網膜の癒着が強いと、後部硝子体剥離の際に硝子体が引っ張られて網膜に裂け目ができ、網膜裂孔が発症します。
眼軸長とは、角膜頂点から網膜までの長さです。日本人の成人の場合、眼軸長の平均は約24mm程度といわれています。眼軸長は、体が成長していくとともに眼球も成長するために、主に学童期には長くなっていきます。眼軸長の伸びは、身長の伸びと同様に本人の努力で変えることはできません。
網膜剥離は治療せずに放置した場合、失明する可能性の高い病気です。網膜裂孔・円孔だけであれば、レーザーによる網膜光凝固術で網膜剥離への進行が抑えられることもあります。すでに網膜剥離が発生してしまった場合、多くは手術が必要となります。
これだ!
自分にピッタリ!
なるほどなあ~!
左目だけ起こったのは何故なんだろう?
確かに、この時点で左眼はコンタクトの度数が-6.5で強度の近視だわ。
でも、右眼も-6.0なんだけどな。。。
(のちに近視矯正手術で視力は両目とも1.5になっている。眼軸長は伸びたまんまだが)
右眼はたまたま、まだなだけかもしれない。
どうなんだろう?
いぜれにせよ。
目は大事にしないと大変な事になる。
随分前の事だが、この時、失明という聞いたことがないワードに恐怖したことを忘れてはいない。